『フラワーアレンジメント』 と『自然を楽しむ』サイト

【バラに学ぶ】③画家の名前を冠したバラから学ぶ名画 – 野生派・パリ派

最終回の第3回は、「野生派(フォービズム)」と「パリ派(エコール・ド・パリ)」の画家を紹介します。

全3回に分けて紹介しております「画家の名前を冠したバラから学ぶ名画」のシリーズでは、私がこれまでに出会った「ペインターシリーズ」の美しいバラと合わせてその画家の特徴と代表作を紹介しています。

画家の名前を冠したバラの特徴

画家の名前を持つバラの特徴は、キャンバスに絵の具が飛び散ったような絞り模様が特徴です。

フランスの育種家「デルバール社」や「メイアン社」などに見られます。

鑑賞ポイント:色味の強さや模様、中心の色、花型など

絵画のように展示しましたので、ギャラリーをどうぞお楽しみください♪

色彩の魔術師と呼ばれたフランスの画家 アンリ マティス(1869-1954)

アンリ マティスは『色彩の魔術師』と言われ、野獣派(フォービズム)の中心的なフランスの画家です。

野獣派(フォービズム)」とは、目に見えるもの(視覚的な情報)を描くのではなく、感情や内面を赤や緑や青などの原色をベースにして表現しているのが特徴だよ。

そんなマティスの鮮やかな色彩の作品はこれまでになかった強烈なインパクトを与えました。

晩年には簡素化された切り絵が特徴で、集大成として手掛けた南フランスのロザリオ礼拝堂(La Chapelle du Rosaire)のステンドグラスは、晴れやかな空と地中海のブルー、太陽の光を表す黄色、自然の緑で表現されています。

白壁と大理石の床に降り注ぐ光は人々を幸せな気持ちをもたらしたことと思います。

代表作には、《緑の筋のあるマティス夫人の肖像》(1905年)、《ダンスI》(1909年)、《ダンスII》(1910年)、《金魚》(1912年)、《赤の大きな室内》(1948年)などがあります。

《バラ》アンリ マティス – Henri Matisse

フランスデルバール社の『ペインターシリーズ』

鑑賞ポイント:真紅と白の絞り模様

フォービズム(野獣派)で知られるマティスの作品を思わせるようなメリハリのある色彩が特徴です。

アンリマティス(Henri Matisse)

アンリマティス(Henri Matisse)

品種名:アンリ マティス
英名: Henri Matisse
作出国:フランス
作出者:デルバール
作出年:1995年
系統:ハイブリッドティー(HT)
開花時期:四季咲き
花形:丸弁八重咲き

《代表作》赤の大きな室内 (Large Red Interior)

今年は20年ぶりに国内で開催される大規模回顧展が東京でありました。私も弾丸日帰りで観に行ってきました。マティスの作品には、このような「赤」が多く見られます。また、同じモチーフを技法を変えて何度も描いていることでも知られています。

《赤の大きな室内》 - Henri Matisse

《赤の大きな室内》 – Henri Matisse

‘Large Red Interior’, 1948 by Henri Matisse

画家名:アンリ マティス
英名: Henri Matisse
国籍:フランス
生年月日:1869年12月31日
没年月日:1954年11月3日(享年84歳)
表現形式:絵画、版画、彫刻、素描、コラージュ
ムーブメント:フォービズム、モダニズム、印象派

 絵はがきをひたすら描いたモーリス ユトリロ(1883-1955)

20世紀前半の人気画家、ユトリロは家庭環境の困難から10代でアルコール依存になり、絵画療法で治療を始めました。

彼は多様なスタイルの芸術家が集まるパリ派の一員で、特にモンマルトル地区の風景を描いた「白の時代」の作品で知られています。これらの絵には漆喰や砂を混ぜた独特の技法が用いられ、彼の作品は世界中で高く評価されています。

パリ派」とは、エコール・ド・パリのことで、流派ではなくパリのモンマルトルに集まった画家たちのことを言うんだよ。

共同アトリエとも言われている場所だね。

また、彼のもう一つの特徴は、見慣れた構図、見慣れた景色だと言われています。それは、彼が絵はがきを見ながら絵を描いていたからです。
今年(2023年)はユトリロ生誕140年の絵画展があり、彼の独特な白に興味がある私も注目している展覧会です。

《展覧会情報》 生誕140年 ユトリロ展
会場: 美術館「えき」Kyoto
会期:2023年11月3日(金)〜12月25日(月)

代表作には、白の時代の《ラパン・アジル》(1911年)、《ドュイユの教会》(1912年)《フェルテ・ミロンの城》(年)などがあります。
対照的に色彩の時代には人物が出てきます。

《バラ》モーリス ユトリロ – Maurice Utrillo

フランスデルバール社の『ペインターシリーズ』

鑑賞ポイント:真紅に黄色と白の絞り模様とフリル状の花弁

モーリス ユトリロ(Maurice Utrillo)

モーリス ユトリロ(Maurice Utrillo)

品種名:モーリス ユトリロ
英名: Maurice Utrillo
作出国:フランス
作出者:デルバール
作出年:2003年
系統:ハイブリッドティー(HT)
開花時期:四季咲き
花形:波状弁咲き

《代表作》ドゥイユの教会

没後70年未満のため、本サイトにパブリックドメインで使用できる画像がまだありません。(2023年現在)

画家名:モーリス ユトリロ
英名: Maurice Utrillo
国籍:フランス
生年月日:1883年12月16日
没年月日:1955年11月5日(享年71歳)
表現形式:油彩
ムーブメント:エコール・ド・パリ

これらの他にも、まだ出会っていない画家の名を冠したバラがあります。
またの次回の更新をお楽しみに。

参考:フランス特別取材。歓びを描いた画家の人生を辿る「アンリ・マティス 希望の色と光, 家庭画報.com, 2023.5.23

Yuko

Yuko

『お部屋で楽しむイングリッシュガーデン』をコンセプトにフラワーギフトを制作しています。 様々な事情でお庭が持てない方々でも楽しめるようなサイトづくり、空間づくりを目指しています。

関連記事

TOP

イングリッシュガーデンのフラワーギフト