世界バラ会議について
イギリスのロンドンに本拠地を持つ、『世界バラ会連合(The World Federation of Rose Societies)』が3年に1度開催する会議。
50年以上の歴史を持ち、現在(2023年9月時点)では39カ国が加盟する団体です。
Contents
- 1 世界バラ会連合ってどんな活動をしているの?
- 2 殿堂入りバラ一覧
- 2.1 【第3回大会】ピース
- 2.2 【第4回大会】クイーン エリザベス
- 2.3 【第5回大会】ドゥフトボルケ
- 2.4 【第6回大会】アイスバーグ
- 2.5 【第7回大会】ダブル デライト
- 2.6 【第8回大会】パパ メイアン
- 2.7 【第9回大会】パスカリ
- 2.8 【第10回大会】ジャスト・ジョーイ
- 2.9 【第11回大会】ニュー・ドーン
- 2.10 【第12回大会】イングリッド・バークマン
- 2.11 【第13回大会】ボニカ ’82
- 2.12 【第14回大会】ピエール・ドゥ・ロンサール
- 2.13 【第14回大会】エリナ
- 2.14 【第15回大会】グラハム トーマス
- 2.15 【第16回大会】サリーホルムズ
- 2.16 【第17回大会】カクテル
- 2.17 【第18回大会】ノック・アウト
- 2.18 【第19回大会】フラワーカーペットローズ・ピンク
- 2.19 【第20回大会】
世界バラ会連合ってどんな活動をしているの?
世界バラ会議では、加盟国のバラの愛好家や専門家たちが開催地を訪れ、以下の活動をしているそうです。
・知識の啓発と普及
・研究の促進
・バラの分類やコンテストの審査基準の提示・標準化
・愛好家の相互親善
・情報交換
『殿堂入りバラ(モダンローズ ※1)』は、このバラ会議によって選出されています。
その他には『殿堂入りオールドローズ ※2』や『優秀庭園賞』も選出されます。
※1 モダンローズ』とは1867年以降に作出された完全四季咲きの『ラ・フランス』以降のバラの総称です。
※2 オールドローズ』とは1867年より前に原種から生み出された園芸品種で一季咲が特徴。
バラの系統については関連記事をご覧ください。
殿堂入りバラ(モダンローズ)について
世界バラ会議の注目イベントの1つとして『殿堂入りバラ』の選出があります。
殿堂入りバラは何を基準に選ばれるの?
『殿堂入りバラ』は世界バラ会議によって以下の選考基準によって選ばれるそうです。
・世界中のどの環境でも育てやすい
・多くの国で長く愛されている
・人類普遍の美意識
・環境面への配慮(2018年第17回以降から特に重視されている)
『殿堂入りバラ(モダンローズ)』においては、その時代の社会問題なども大きく反映されており近年(2018年第17回以降)では『美しい』、『病害虫に強い』という外観やメンテナンス面以上に『農薬を使わないでも元気に育つ』というような環境面での評価がポイントになってきているようです。
また、修景バラ(ランドスケープローズ)が選出されていることから、1輪1輪の美しさというよりも、景色の一部としての美しさも今の時代の流れのようです。
各時代に選考された『殿堂入りバラ(モダンローズ)』にはそれぞれの時代のトレンドとともに社会問題などの背景が反映されているのも、私自身学ぶポイントだと思い注目しています。
殿堂入りバラ一覧
私がバラ園巡りで実際に出会った『殿堂入りのバラ』たちを過去の大会情報と合わせてご紹介します。
【第1回大会】 1971年 ニュージーランド ハミルトン大会 選出なし
【第2回大会】 1973年 アメリカ シカゴ大会 選出なし
殿堂入りバラの選出は大会初会からあったわけではないようです。
理由は不明ですが、発足して回を重ねていくうちに、開催年に「殿堂入り」を選出しようという流れになったのではないか?と、推測しています。
【第3回大会】ピース
1976年 イギリス オックスフォード大会
殿堂入り第1号を飾ったピース。第2次世界対戦が終戦した1945年に世界の平和を願って『ピース(平和)』と名づけられました。
20世紀を代表する完璧な品種とされているそうです。
英名: Peace
作出国:フランス
作出者:メイアン
作出年:1945
系統: ハイブリッド・ティー(HT)
咲き方:四季咲き
香り:微香
【第4回大会】クイーン エリザベス
1979年 南アフリカ プレトリア大会
スッと真っ直ぐ伸びた先に大輪の花が印象的です。高いものは2mほどまで成長します。
第9回大会で選出された『パスカリ』の親品種。
英名: Queen Elizabeth
作出国:アメリカ
作出者:ラマーツ
作出年:1954
系統:グランディフローラ*(GR)
咲き方:四季咲き
香り:強くはないが甘い香り
*グランディフローラとは
『ハイブリッド・ティー(四季咲き大輪)』と『フロリバンダ(四季咲き中輪房咲き)』の交配により、アメリカで誕生した系統。これらの両方の性質を持つことで区別がしづらいことから、世界的にはこの表現は使用されておらず、『ハイブリッド・ティー』と表記されることも多いようです。
【第5回大会】ドゥフトボルケ
1981年 イスラエル エルサレム大会
英名:Duftwolke(Fragrant Cloud)
作出国:ドイツ
作出者:タンタウ
作出年:1963
系統: ハイブリッド・ティー(HT)
咲き方:四季咲き
芳香性:強香
【第6回大会】アイスバーグ
1983年 ドイツ バーデンバーデン大会
アイスバーグは英語で「氷山」。別名にドイツ語で「シュネーヴィッツエェン(白雪姫)」という名も持つ。20世紀の代表品種。
英名: Iceberg
作出国: ドイツ
作出者: コルデス
作出年:1958
系統: フロリバンダ(FL)
咲き方;四季咲き
香り:香る
【第7回大会】ダブル デライト
1985年 カナダ トロント大会
ダブルディライトとは『二重の喜び』と言う意味です。
花の『美しさ』と『強い香り』に由来しているのだそうです。
赤に白や黄色の褐色が入ることによって輝いているように見え、遠くからも目を引く美しさです。
英名: Double Delight
作出国:アメリカ
作出者:スイム&エリス
作出年:1977
系統: ハイブリッド・ティー
咲き方:四季咲き
香り:強香
【第8回大会】パパ メイアン
1988年 オーストラリア シドニー大会
黒バラの銘花。
ベルベットのような澄んだ深いクリムゾン色。香りは甘く強い。フランスの育種家アラン・メイアンが祖父アントワーヌ・メイアンに捧げたバラ。
英名: Papa Meilland
作出国:フランス
作出者:メイアン
作出年:1963
系統:ハイブリッド・ティー(HT)
咲き方:四季咲き
香り:強香
【第9回大会】パスカリ
1991年 北アイルランド ベルファスト大会
第4回大会で紹介しました『クイーン・エリザベス』の子品種。
交配親は Queen Elizabeth × White Butterfly
『パスカリ』とはキリストの復活祭に捧げられる純白の花に由来する。
英名: Pascali
作出国:ベルギー
作出者:ランス
作出年:1963
系統:ハイブリッド・ティー(HT)
咲き方:四季咲き
香り:ほとんどない
【第10回大会】ジャスト・ジョーイ
1994年 ニュージーランド クライストチャーチ大会
アプリコット色の巨大輪。次々と花が咲く強健品種で知られます。
秋には色は濃く出るようです。
英名: Just Joey
作出国:イギリス
作出者:カント オブ コルチェスタ社
作出年:1972
系統:ハイブリッド・ティー(HT)
咲き方:四季咲き
香り:強香
【第11回大会】ニュー・ドーン
1997年 ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ ベネルクス大会
英名: New Dawn
作出国:アメリカ
作出者:サマーセット・ローズ・ナーセリー
作出年:1930
系統:ラージ・フラワード・クライマー(LCl)
咲き方:繰り返し咲き
香り:香る
【第12回大会】イングリッド・バークマン
2000年 アメリカ ヒューストン大会
美しい花形で強健種。うどんこ病にも強いのでガーデンに最適な品種。
英名: Ingrid Bergman
作出国:デンマーク
作出者:ポールセン
作出年:1983
系統: ハイブリッド・ティー(HT)
咲き方:四季咲き
香り:微香
【第13回大会】ボニカ ’82
2003年 イギリス グラスゴー大会
株全体を覆うように咲く花付きが見事なことから、殿堂入りだけではなく、1983年にはADR、1987年にはAARS賞を受賞している。
英名: Bonica ’82
作出国:フランス
作出者:メイアン
作出年:1982
系統: シュラブ(S)
咲き方:四季咲き
香り:微香
【第14回大会】ピエール・ドゥ・ロンサール
2006年 日本 大阪大会
『つるバラの女王』で知られる美しいバラ。うっとりする美しさとはこのことを言うのでしょう。
英名: Pierre de Ronsard
作出国:フランス
作出者:メイアン
作出年:1987
系統:ラージ・フラワード・クライマー(CL)
咲き方:返り咲き
香り:香る
※基本的には春に咲くがまれに秋にも咲くと情報があり、秋バラ散策の際にチェックしましたが、大阪市内では秋の開花は見られませんでした。
【第14回大会】エリナ
2006年 日本 大阪大会
半直立性の大輪種。アイボリーイエローの独特の雰囲気を持つ。
英名: Elina
作出国:イギリス
作出者:ディクソン
作出年:1983
系統:ハイブリッド・ティー(HT)
咲き方:四季咲き
香り:香る
【第15回大会】グラハム トーマス
2009年 カナダ バンクーバー大会
イングリッシュローズのシュラブローズ。山吹色でカップ咲きでティーの香りを持つ。つるバラとしてよく利用されています。
英名: Graham Thomas
作出国:イギリス
作出者:オースチン
作出年:1983
系統: S(ER)
咲き方:返り咲き
香り:香る
【第16回大会】サリーホルムズ
2012年 南アフリカ ヨハネスブルグ大会
クリームがかった白。咲き始めはピンク色で咲き進むうちに白くなります。大輪の一重咲きでボール状に房をつけるのが特徴です。
英名: Sally Holmes
作出国:イギリス
作出者:ホルムズ
作出年:1976
系統:シュラブ(S)
咲き方:繰り返し咲き
香り:微香
【第17回大会】カクテル
2015年 フランス リヨン大会
一重咲きの赤いバラ。咲き進むにつれて中心が黄色から白に変化していきます。
ひとつの花の中に、美しいグラデーションが見れるということから、「カクテル」という名がついています。
英名: Cocktail
作出国:フランス
作出者:メイアン
作出年:1957
系統:シュラブ(S)
咲き方:繰り返し咲き
香り:微香
【第18回大会】ノック・アウト
2018年 デンマーク コペンハーゲン大会
とてもインパクトのある名前です。
最初にこの品種を見たときに、とても鮮やかなショッキングピンクが目についたので、その見た目にノックアウトされるくらいの美しさから由来したと思いきや、『病害虫をノックアウト』が名前の由来でした。
この他にも『ピンクノックアウト』『ダブルノックアウト』『ホワイトノックアウト』などなど、『ノックアウトシリーズ』があります。
英名: Knock out
作出国:アメリカ
作出者:ラドラー
作出年:1999
系統:フロリバンダ(FL)
開花時期:四季咲き
【第19回大会】フラワーカーペットローズ・ピンク
2022年 オーストラリア 大会
前回大会のノックアウトとは対象的な名前で
『フラワーカーペット』、『ローズ』、『ピンク』、と誰にとっても分かりやすい言葉が並んだ名前が印象的です。
美しいピンクのバラの絨毯ということで『修景バラ』を思わせるのも今のトレンドを反映していると思いました。
まだ出会ってないので、画像更新まで待っててね。。
英名: Flower Carpet Pink
作出国: ドイツ
作出者: ウェルナー・ノアック
作出年: 1988年
系統: フロリバンダ(FL)
【第20回大会】
2025年 日本 福山大会
2025年開催予定のため、更新までお待ち下さい。。
英名:
作出国:
作出者:
作出年:
系統: