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【植物から学ぶ東洋文化】アンズ(杏)と孔子の学問所「杏壇(きょうだん)」

アンズ(杏)とは

アンズ(杏)は、春の訪れとともに、桜に似た白やピンク色の花を咲かせます。この美しい花は、東洋文化において学問と人徳の象徴とされ、私たちに多くの教えを与えてくれます。

湯島聖堂に見られる杏の木

私がアンズの木と初めて出会ったのは、東京都文京区にある湯島聖堂です。
この地は、「日本の学校教育の発祥の地」として知られ、江戸時代初期に建立されました。

湯島聖堂のアンズ(杏)

湯島聖堂のアンズ(杏)

孔子と杏壇(キョウダン)

アンズの木は、孔子とその学問所「杏壇」の象徴として特別な意味を持ちます。

孔子とは、中国の春秋時代の思想家で、儒教の創始者。彼の教えは、知恵と人間性の探究に焦点を当てているんだよ。

孔子は、ソクラテス、キリスト、釈迦に並ぶ四聖(しせい)の一人。孔子の教えは欧米でも人気があります。

四聖とは、現代でも受け継がれている教えを解いた賢者たちのことだね。

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孔子の教えには、以下のようなものがあります:

孔子の教え
・本当の智とは、無知を知ることにある。
・全てのものは美しい。しかし、全ての人に見えるわけではない。
・物事とは、聞いた後に忘れ、見た後に覚え、やった後に理解するものだ。
など

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孔子が学問を教えた場所に杏の木が植えられていたことから、孔子の学問所は杏壇(きょうだん)と呼ばれています。

湯島聖堂の杏壇門

湯島聖堂の杏壇門

出典: 健太 上田 / Adobe Stock

孔子廟(こうしびょう)

湯島聖堂には巨大な孔子像があり、そのサイズは、約4.6m、1.5トン。これは世界最大の孔子像なのだそうです。

湯島聖堂の孔子像

世界最大を誇る湯島聖堂の孔子像

出典: 健太 上田 / Adobe Stock

孔子を祀っている場所は「孔子廟(こうしびょう)」と呼ばれ、湯島聖堂を含め日本に14箇所の聖堂があり、それぞれが文化的な重要性を持っています。

《代表的な聖堂》
・栃木県 足利学校(あしかががっこう)(日本で最も古い学校と言われている)
・長崎県 長崎孔子廟(ながさきこうしびょう)(国内で唯一、本格的な中国様式の建物)
・岡山県 旧閑谷学校(きゅうしずたにがっこう)(世界最古の庶民のための公立学校)
・沖縄県 久米至聖廟(くめしせいびょう)(琉球における最初の公立学校)

アンズ(杏)は、「学業成就」や「人徳」の象徴

アンズの花は、学問や人徳の成就の象徴です。

中国では、学業の成功や昇進を表す重要なシンボルとして尊重されています。日本においても、湯島聖堂は、学業の成功を祈願する人々にとって重要な場所となっています。

湯島聖堂のアンズ(杏)の木

湯島聖堂のアンズ(杏)の木

アンズの花が春の訪れを告げると同時に、新しい学びや成長の季節の始まりを象徴しているかのようです。
私もこのアンズの花を通して孔子とのつながりや教えを学ぶことができました。

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湯島聖堂の基本情報

施設名 :湯島聖堂
公式URL:http://www.seido.or.jp/index.html
住所  :東京都文京区湯島1-4-25 湯島聖堂内

Yuko

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