風景式庭園(インフォーマルガーデン)
風景式庭園といえば、「インフォーマルガーデン」や「ランドスケープガーデンとも呼ばれ、自然の風景を模倣したデザインが特徴です。
幾何学模様が特徴的な整形式庭園(フォーマルガーデン)とは対照的に、風景式庭園は曲がりくねった道(曲線)を生かしてデザインされており、季節ごとに変わる植物それぞれの個性を楽しむ庭園です。
自然の美を表現するための「計画的な混乱」
風景式庭園は、自然の景色を最大限に活かすことを重視しています。
なるべく手をかけずに季節のものをその季節に咲くように緻密な計算のもとで、それを自然に見せているのが風景式庭園であるとよく説明されています。
以前、松江イングリッシュガーデンを訪れた際に持ち帰ったパンフレットに、風景式庭園とは「計画的な混乱」である、と説明されていたのがとても印象に残っています。
ここでいう「混乱」とは、道端の草、花、木、池、小径、色彩などの「自然界の多様な要素」と「デザインによる計画性」が組み合わさったイングリッシュガーデンの概念そのものだと思います。
イングリッシュガーデンが表現しようとしている『自然の美』だからこそ、世界中の人々に親しまれやすく、愛されているのだと思います。
自由なデザイン
フォーマルガーデンと異なり、インフォーマルガーデンは規則に縛られず、植栽や小径は自由な形を取ります。これがガーデンに独自の個性をもたらします。
生態系の支援
インフォーマルガーデンは生態系にも配慮しています。野生動物や鳥類にとって安全な場所を提供し、多様な植物が生息します。
せせらぎや池などの水場は植物の種を運んでくる野鳥たちにとっても命を繋ぐ大切な場所です。
このことを学んで以降、さまざまな公園や庭園の水場を観察するようになり、野鳥たちが水を飲みに来ている姿にも気づくことができました。
Azure Gardenの記事に「野鳥たち」の観察記録が加わったきっかけになりました。
リラックスと静寂
スモークツリーや迫力のある植物が至るところに植栽されていて、これらが自然な日陰をつくっています。
訪れる人々に静かなひとときを提供します。ベンチや小径がガーデン内に配置され、自然と調和したくつろぎの場となっています。
ガーデンの基本情報
※2019年4月に松江市から民間に売却され、現在(2023年8月時点)は結婚式場としてリニューアルされています。
イングリッシュガーデンのみの一般公開はされておらず、式場と併設するレストランは利用可能ですが、最新情報を確認されるのをお勧めします。
追記:2022年11月にレストラン利用で訪れた際は、結婚式用の撮影が行われていたため、残念ながらガーデン見学はできませんでした。
施設名 :松江イングリッシュガーデン(2019年閉園)
公式URL:該当なし
住所 :島根県松江市西浜佐陀町330-1