自然は学びの宝庫
日常生活で私たちは様々な景色に出会います。
季節ごとの自然の風景や山や海の景色など、時間が経つにつれて変化していく姿を日々目にしています。
自然界は、私たちに無数の美しい色を提供してくれていることに気がつきます。
自然が教えてくれる配色
学生時代にカラーコーディネートについて学んだ際に、自然の配色を参考にすれば間違いないと習ったことがあります。
とても直感的でシンプルなので、何十年と経った今でもよく活用している方法です。
今でこそ、色彩論や色彩調和論など様々な理論がありますが、それらの理論が確立する以前の画家たちは、朝から夕方まで自然の色を観察し色の性質や効果について、体験的に学んでいたのだそうです。
朝陽が登り始めると草木は黄色味を帯び、夕方になると青味がかっていくということを自然に身につけていたんだよ。
日向は黄色っぽくて、日陰は青っぽく見えるんだね。
このコーナーでは、「自然から学ぶ配色」というテーマで、私が散歩道で出会った自然に焦点を当て、カラーコーディネートとその色がもたらすイメージについて学んでいきたいいと思います。
カラーリーフのメギから学ぶ配色
今回選んだのはカラーリーフガーデンで出会った『メギ ‘アトロプルプレア’』です。
赤紫から緑のグラデーションの葉と赤い実のコントラストがとても印象的です。鑑賞価値が高いことからカラーリーフガーデンでもよく利用される人気の植物です。
メギから見える配色
気になる色を抽出して色相環を参考にしなががら学んでいきましょう。
※今回は色味にフォーカスします。明るさや鮮やかさはまた違う回で取り上げたいと思います。
色相環とは
色相環とは、虹色を円形に配置し、色の関係性を示す視覚的なツールです。
色相の連続性と補色の位置を示し、カラーコーディネーションやデザインで「色の調和」を考えるときに利用されています。
「色相」とは赤、青、黄などの色味のことだよ。
「補色」とは色相環で反対側に位置する色のことで、互いの色を引き立てる効果があるんだよ。
赤の反対側に緑、青の反対側はオレンジというように見るんだね。
赤紫とピンクは色相環上で位置が近く、隣り合う色同士は互いに調和するという色の組み合わせです。
一方、緑は赤紫とは反対側の位置にあり、補色の関係でコントラストを形成しています。
緑と赤紫のコントラストと赤紫とピンクの調和が同時に生まれ、視覚的に心地よい組み合わせになっています。
赤紫(マゼンタ)
- 情熱的: 赤紫は情熱とエネルギーを象徴し、目を引く色合いです
- 高貴: 深みのある赤紫は高貴で神秘的な雰囲気を持っています
赤紫は情熱的で目を引く色であり、主要なアクセントカラーとして活用されたりします。
フラワーアレンジメントでも、赤紫の花を配置することで、デザインに深みと落ち着いた印象を作ることができます。
ピンク
- 優しさ: ピンクは優しさと愛情を表現し、温かな印象を与えます
- 優雅: 優雅で女性らしい雰囲気を醸し出す色とされています
- 可愛らしさ: 淡いピンクは可愛らしい印象をあたえます
ピンクの花を使うことで、アレンジメントに柔らかさと愛情をもたらします。
緑
- 自然: グリーンは自然と成長を思わせ、安定感と調和をもたらします
- 爽やか: 生命力に満ちた色として、爽やかな印象を持っています
- 安らぎ: 平和の象徴でもある緑は安らぎを与えてくれます
フラワーアレンジメントでもグリーンは自然の色であり、花々を引き立て、バランスを取るのに役立つ色です。
まとめ
自然の美しい風景や植物から得たカラーコーディネートのヒントは、色相環、補色、反対色を活用することで、コントラストや調和を生み出す魅力的なカラーパレットを作るのに役立ちます。
配色を考えるときに「馴染みの原理(※1)」というものがありますが、「自然界で見慣れている配色は調和するはず」というものにも通じます。
(※1)「馴染みの原理」 アメリカの色彩学者ジャッドにより唱えられた「ジャッドの4つの原理」の1つ
Azure Garden(アジュール・ガーデン)の作品は、このような自然の配色にインスピレーションを受けて制作しています。
自然から学ぶ配色はいつでもすぐに実践できる方法なので、配色に迷ったときにひとつの方法としておすすめです。
自然界のカラーパレットから意外な色の組み合わせに出会うと楽しくなってきますよ。