バラ園を散策していると、人名のついたバラによく出会います。
イギリス王室や日本の皇室のメンバー、俳優、デザイナー、音楽家や画家の名前などがあることに気づきます。
このように、人名のついたバラは見た目の美しさだけではなく、丈夫な品種という特徴があります。
このシリーズは私がこれまでに出会った「画家の名前を持つバラ」で知られる「ペインターシリーズ」を中心に全3回に分けてご紹介したいと思います。
第1回は「印象派」の画家の名前を持つバラとそれぞれの画家の作品を鑑賞しましょう。
画家の名前を持つバラの特徴
画家の名前を持つバラの特徴は、キャンバスに絵の具が飛び散ったような絞り模様が特徴です。
フランスの育種家「デルバール社」や「メイアン社」などの品種に見られます。
バラの花を絵画のように展示しましたので、ギャラリーをどうぞお楽しみください♪
Contents
うつろう光を描くフランスの画家 クロード モネ(1869-1954)
モネは、19世紀末のフランス印象派の画家で代表的な人物の一人です。モネの作品の特徴は、屋外での自然光の下での絵画制作と、その瞬間の光と色を捉えることに焦点を当てた手法にあります。
「印象派」とは、風景や人物を光の変化で表現しているのが特徴だよ。
モネは特に、変わりゆく光の中での景色の描写に優れており、同じ被写体を異なる時間帯や天候の下で何度も描いたことで知られています。
《バラ》クロード モネ – Claude Monet
フランスデルバール社の『ペインターシリーズ』
鑑賞ポイント:ピンクに淡いオレンジイエローの絞り模様
モネの作品を思わせるような、柔らかい色彩が特徴です。このバラの黄色は彼の作品には欠かせない「光」を表現しているのだと思います。この光の黄色がピンクやオレンジと混ざり合い、モネの表現する優しい雰囲気を持っています。
品種名:クロード モネ
英名: Claude Monet
作出国:フランス
作出者:デルバール
作出年:1992年
系統:シュラブ(S)
開花時期:四季咲き
花形:カップ咲き
《代表作》睡蓮(Water Lilies)
彼の代表作には、《睡蓮》連作、《ルーアン大聖堂》、《日の出》などがあります。
‘Water Lilies’, 1906 by Claude Monet. Image via Art Institute of Chicago
画家名:クロード モネ
英名: Claude Monet
国籍:フランス
生年月日:1840年11月14日
没年月日:1926年12月5日(享年86歳)
表現形式:絵画(油彩)
ムーブメント:印象派
動くものを描いたフランスの画家 エドガー ドガ(1834-1917)
印象派の中では重要人物でありながら、風景には全く興味はなく、バレエの踊り子や競走馬など動くものを描くのが好きだった画家として知られています。
ドガはバレエの踊り子の作品を多く描いており、モネとは対象的に、屋内のライトの光の変化を表現していました。
代表作には《舞台の踊り子》や《ロンシャン競馬場》などがあります。
また《アイロンをかける2人の女》など、華やかな舞台でななく舞台裏にも興味を持っていた画家です。
《バラ》エドガー ドガ – Edgar Degas
フランスデルバール社の『ペインターシリーズ』
鑑賞ポイント:赤と淡いピンクの絞り模様に、中心の黄色
フリルのような花びらがまるでバレリーナの衣装を思わせるようです。バラの色が咲き進むにつれて変わっていく様子を想像すると、舞台上で踊るバレリーナの衣装の色が変化するイメージと重なります。
品種名:エドガー ドガ
英名: Edgar Degas
作出国:フランス
作出者:デルバール
作出年:1994年
系統:シュラブ(S)
開花時期:四季咲き
花形:丸弁半八重咲き
《代表作》ステージでのバレエのリハーサル(1874年)
‘The Rehearsal of the Ballet Onstage’, 1874 by Edgar Degas. Image via The Metropolitan Museum of Art
画家名:エドガー ドガ
英名: Edgar Degas
国籍:フランス
生年月日:1834年7月19日
没年月日:1917年9月27日
表現形式:絵画、彫刻、素描
ムーブメント:印象派、写実主義
次回は、「後期印象派」の画家の名前を持つたバラを鑑賞しましょう。では、また。
第2回の今回は、「後期印象派」の画家を紹介します。全3回に分けて紹介しております「画家の名前を冠したバラから学ぶ名画」のシリーズでは、私がこれまでに出会った「ペインターシリーズ」の美しいバラと合わせてその画家の特徴と代表作を紹介しています。画家の名前を冠したバラの特徴画家...